今回は泊まって良かった素晴らしい温泉宿「鳥遊ぶ森の宿 ふたり静」の紹介です。
この宿は広い敷地に5つだけ離れタイプの客室が建てられていて、周りの日常の景色が目に入る事もなく非日常的な宿の世界観や雰囲気が存分に味わえます。
その他にもお部屋の充実した設備やスタッフさんのきめ細かいサービスや接客、料理がとても美味しいなど全てにおいて魅力的で素敵な宿でしたので、気になっている方はよろしければ参考になさって下さい。
ふたり静の立地について
ふたり静は鹿児島県の霧島市にあります。
霧島市の中心部から北にある霧島温泉郷と呼ばれる場所にあります。
霧島温泉郷は単純硫黄泉や炭酸水素泉など様々な泉質の魅力的な温泉があり、カジュアルな宿や高級温泉宿が建ち並ぶ人気のエリアで、過去にブログで紹介した「旅行人山荘」もこの辺りにあります。
・泊まって良かったオススメの宿 鹿児島県霧島市 旅行人山荘
ふたり静はこの霧島温泉郷の大通りから少し入った場所にあります。宿の目印となるものはあまりなく、知る人ぞ知る隠れ家的温泉宿の雰囲気が漂っています。
この看板を目印に道を曲がり、山道をするすると登っていけばふたり静の駐車場につきます。
道は舗装され道幅もあるので3ナンバーサイズの車でも大丈夫でした。
駐車場は客室が5部屋という事で、5台の駐車場が用意されています。
地方ではまだとても貴重な電気自動車を充電するスペースもあります。
館内について
駐車場に車を停めると、スタッフの方が出て来てくださって荷物を運んでくださいます。
そのまま案内され、駐車場から通路を通り石段を登ると帳場の建物が見えて来ます。
これは帳場側から撮影した写真ですが、駐車場から進むと景色が少しずつ変わり気分が高まります。
こちらが帳場の入り口です。
よくある他の宿とは趣が違いレトロな外観です。
表札のフォントが素敵です。
入り口を抜け室内に入ると外観のコンセプトに合わせた素敵な室内のデザインに目を惹かれます。
筆者は新しいモダンなデザインが好きなのですが、ふたり静さんは古さと新しさを上手に混ぜ合わせて調和させているのでとてもセンスが良いなと感じました。
ここまで上手いと逆に新鮮さすら感じます。
こちらは帳場ですがチェックインはお部屋の方で出来るみたいです。
少し待っているとスタッフの方がお部屋まで案内してくれます。
帳場を出てお部屋までの通路ですが、もはや庭園です。周りに樹木が植えられていてとても雰囲気が素敵です。
途中で道が分岐していてこの道から貸切露天風呂や食事棟、そして全ての離れ客室に行く事ができます。
敷地はかなり広く、池もあり手入れがしっかり行き届いていました。
この広さで5室しか客室がないのは本当に贅沢です。
そしてこちらの宿の凄いところは、宿に到着してからほぼ全ての場所で周りの周辺の建物や道路などが全く見えず、全てが同じ世界観で統一されているところです。
宿泊時はずっと特別な非日常感を味わえるのが本当に素敵で、とても気に入りました。
客室について
ふたり静さんには5つの離れの客室があります。
それぞれ花の音・森の音・鳥の音・水の音・風の音と客室に名前が付けられていて、各お部屋で基本コンセプトは同じですが、少しづつインテリアや趣が違います。設備面でも少し違うのでざっくりと表にまとめてみました。
花の音 | 和室+リビング+寝室(ツイン) | 釜風呂の内湯・岩露天風呂 | 岩盤浴・水風呂 | お部屋食可能 |
森の音 | 和室+寝室(ツイン) | 檜風呂の内湯・岩露天風呂 | 足湯 | 食事処でご飯 |
鳥の音 | 和室+寝室(ツイン) | 内湯・岩露天風呂 | サウナ・水風呂 | 食事処でご飯 |
水の音 | 和室+寝室(ツイン) | 内湯・岩露天風呂 | サウナ・水風呂 | 食事処でご飯 |
風の音 | 洋室+寝室(ツイン) | タイル風呂の内湯・露天風呂 | サウナ・水風呂 | 食事処でご飯 |
どの客室も広さは70平米あり、お部屋のデザインに違いはありますが全てに源泉掛け流しの内湯と露天風呂が備わっています。
加えてお部屋で岩盤浴やサウナを楽しめるお部屋もあるので、全国的に見てもここまでお風呂関係の設備が充実しているお部屋はなかなか無いと思います。
温泉・サウナ好きには最高の宿だと思います。
この中から今回「風の音」の客室に宿泊してきたのでお部屋の写真など載せつつ紹介していきます。
こちらが風の音の玄関です。
一軒家の離れなので玄関が立派です。
玄関を開けると長い廊下が見えます。
ちなみに廊下のすぐ右側の扉を抜けるとリビングスペースで、中ほど右側にある扉を抜けると寝室スペースに続いています。
廊下を突き当たりまで行くと水回りスペースがあります。
廊下が本当に長くてびっくりします。
そして玄関の土間スペースも一軒家という事でかなり広くとられていています。
宿泊したのが年始という事で、鏡餅や羽子板など正月仕様のインテリアになっていました。
その横にはしっかり消毒する為の設備と良い香りのするお香が焚かれていました。
それではリビングスペースから見ていきましょう。
2人がゆったりと座れるソファにローテーブルがあり
ソファの向かいにはテレビがあります。
テレビのサイズとしては少し小さめですが、寝室側にもテレビは備え付けられているので十分だと思います。
テレビの横にはWI-Fiやスマホ接続用のケーブル類、JBLのBuletoothスピーカー、木箱の中には裁縫セットなどが用意されていました。
リビングソファ横には荷物を置いたりすると便利そうなスペースがあります。エアコンやサーキューレーターも完備されています。
スタッフの方に宿泊するお部屋のリビングルームまで案内されるとそこでお部屋の説明を受けるのですが、その際にウエルカムスイーツを出してくださいました。
さつまいものスイーツと緑茶を出してくださったのですが、このさつまいものスイーツがとても美味しかったのを覚えてます。販売していたら買って帰りたかったくらい美味しいです。
続いて寝室ですが、リビングルームと繋がっていて廊下を通らなくても行き来する事ができます。
リビングと寝室の境にはカウンターテーブルも用意されていてここで飲み物を飲む事ができます。
ステンドグラスから入ってくる光が幻想的で、都会の洗練された雰囲気とは違い温かい印象を受けます。
カウンターテーブルの上にはお茶やコーヒー、ティーカップそして電気ケトルが用意されていました。
電気ケトルはバルミューダでした。
高級感のある宿はバルミューダ製のケトルを置いてるところが多いですね。
カウンターテーブルの下には空気清浄機や冷蔵庫がありました。
小さめの冷蔵庫には有料のドリンク類が入っています。
他には置いていない珍しいジュース類が入っていたのが印象的でした。
寝室のベッドはフロアベッドタイプで写真のように床から一段上がっところにあります。
よく見るベッドよりも高低差が少なく、寝起きがしやすいように考えられています。
サイドボードにはコンセントや照明のスイッチやリモコン類が置かれていました。
またベッドの向かいの壁には壁掛けのテレビがあります。
寝ながらテレビがみられる贅沢な仕様になっています。
壁掛けテレビの下には扉があり、クローゼットになっています。
中の容量は結構多く、浴衣や羽織り物が用意されていました。
以上がリビングと寝室の設備です。
ゆっくりお部屋で寛げる設備が充実していて良いお部屋だなと感じました。
個人的には照明スイッチに装飾やわかりやすくロゴデザインを貼っているのが他の宿には無く面白いと感じました。
リビングや寝室以外もこのようにスイッチが装飾されているので、とてもわかりやすくされているのは好印象です。
続いて水回りです。
水回りは玄関から入り廊下の突き当たりまで行った場所にあります。
ここには洗面台や館内で使える手提げカゴやタオルが入っている引き出し、脱衣スペースなどがあります。
洗面台もお部屋のコンセプトと同じデザインで統一されて、蛇口は通常の水道と飲用水専用の蛇口がありました。
この設備は嬉しいですね。
自動でハンドソープが出てくるディスペンサーも備わっています。
アメニティ類はスキンケア用品が必要最低限揃っている印象です。
この価格帯であればもう少しあっても良かったかなとは思いました。
大きくて使いやすい手提げカゴやランドリーバックもあります。
ドライヤーやヘアアイロンはこの位置にかかっています。
タオルハンガーはこの位置にありました。
お次はトイレですが洗面台に立つと左手にあります。
トイレはもちろんウォシュレット完備です。
シンプルにまとめられた和テイストの落ち着くトイレです。
トイレ内上部には後で紹介しますが、サウナ室の操作盤があります。
こちらで温度を調節したりできるみたいです。
それでは次にお待ちかねのお風呂周りです。
洗面台からさらに進むと扉があり、その先が内湯になっています。
こちらが内湯です。
浴室は十分なスペースがあり、客室のお風呂とは思えない造りです。
タイル貼りのお風呂がとても良い雰囲気です。
こちらの温泉はもちろん源泉掛け流し。
洗い場もシャンプー・リンス・ボディーソープ・フェイスソープが備わっていてここで全て完結するようになっています。
浴室内にはサウナ室へも行けるようになっています。
お部屋に備わっているサウナとは思えない広さでビックリしました。
これが完全プライベートで一人占め出来るなんて贅沢すぎます。
ちなみにお風呂は24時間入り放題ですが、サウナは24時までだそうです。
トイレ上部に付いていた操作盤で温度が100℃までは調節ができるようなのでサウナ好きの方はぜひ使ってみてはいかがでしょう。
浴室から外に出られる扉を抜けると、露天風呂と水風呂があります。
写真の手前が水風呂で、奥が露天風呂です。
水風呂は小さいですがずっと水が掛け流されているのでいつも新鮮な綺麗な水風呂です。
水温は外にある水風呂で、訪れたのが真冬という事もあってめちゃくちゃ冷たいです。
次が露天風呂です。
お部屋に2つのお風呂が付いている事自体かなり贅沢ですが、とても立派な露天風呂で大人3人は入れる大きさです。
こちらももちろん源泉掛け流しで24時間入り放題です。
客室が隣接していないおかげで庭も広くとってあり静かで眺めも良いです。
湯温は真冬という事もあり内湯より低くずっと入っていられる温度でとても使いやすいお風呂でした。
最高ですね。
以上が客室の紹介でした。
リビング・寝室・バーカウンター・内湯・露天風呂・サウナ・水風呂という豪華設備の客室で滞在中は大満足でした。
温泉の泉質は霧島温泉郷としては少し物足りなさはありますが、お風呂の広さや景色も良く、周辺の騒音も全く入って来ないのでとてもリラックスして入る事ができます。
あとはサウナがとても素晴らしいですね。
完全プライベートサウナ付きの客室は全国探してもかなり貴重なのでサウナ好きの方にはかなりオススメです。
貸切露天風呂について
ふたり静さんには貸切露天風呂が一つあって、宿泊中は空いていれば自由に使用する事ができます。
使用する流れとしては、フロントに使用したい時間帯を伝え、空いていればスタッフの方が入浴札をお部屋まで届けてきて下さいます。その札を貸切風呂の入り口に掛ければ使用できるという感じです。
貸切露天風呂は客室へ向かう道から分岐したところにあり、案内板に従って歩いていきます。
歩いていると少しづつ登っていき
客室棟から少し離れた場所に露天風呂があります。
天望の湯という名前のこちらの貸切露天風呂。丘の上に建っているので眺望が期待できそうな名前です。
小屋の中は仕切りなどは無く、お風呂と洗い場そして脱衣所があるシンプルな造りですが、お風呂がかなり大きいです。
こちらももちろん源泉掛け流しで客室より湯量は多めです。
湯温はかなり熱めに設定されていますが一部のスペースは少しぬるめの場所もあるので好みによって使い分けられます。
洗い場もあります。
脱衣所にはウォーターサーバーも用意されていました。
お風呂からの景色は天望の湯という事もあり眺めが良く開放的で、客室とは違った感覚で露天風呂が楽しめました。
これが5部屋しかない宿の設備とは信じられません。本当にすごい宿です。
脱衣所や洗い場が外にあるので、真冬だとちょっと使いづらいかもしれませんが宿泊したらぜひ利用したい設備ですね。
料理(夕食)
次は夕食です。
料理は花の音という客室はお部屋食でそれ以外の客室は食事処で食べるようになっています。
客室を出て帳場に向かう途中にある分岐した道を案内板に従い食事処へ行きます。
食事処の近くまで行くとスタッフの方が出てきてくださって案内をして下さいます。
建物に入ると少し違った雰囲気になり非日常感がさらに高まります。
鹿児島という事で有名焼酎もズラっと並びオシャレなインテリアに溶け込んでいます。
食事処は客室ごとにお部屋が決まっていてわかりやすい仕様になっています。
また完全個室になっているので他の宿泊客と顔を合わせる事なくリラックスして食事が楽しめます。
個室内は落ち着いたデザインで、窓からはライトアップされた竹林が見えます。
こちらも素敵な雰囲気です。
個室内入り口付近にはなんと空気清浄機まであります。
これは贅沢ですね。
それでは夕食ですが、宿泊時に食べた献立はこちらです。
高級食材がふんだんに使われた創作懐石です。
メニュー数も多く、期待が膨らみます。
まず食前酢のブルーベリー黒酢です。
さっぱりとした飲み口が美味しい食前酢です。
次は先付けとお造りです。
先付けはせこ蟹や白子、百合根、数の子などバリエーション豊かな品が並びます。
先付けは宿によってはメニューに当たり外れが多いイメージでしたが、こちらの先付けは全て美味しくて良い意味で驚きました。
マグロや伊勢海老などが盛られたお造り盛り合わせです。
九州醤油や泡醤油で変化を楽しみながらいただきます。
個人的には伊勢海老の鮮度がとても良く、三重県で食べた物と同じくらい美味しかったのでとても印象的でした。
白子ポン酢ジュレです。
お酒に合う一品で臭みが無く食べやすかったですね。
クエのお吸い物です。
お吸い物が鍋で出てくるのは珍しいですが、高級魚であるクエの出汁がしっかり出た上品なお吸い物です。
しいたけと黒豚とジャガイモのカマンベールチーズのはさみ揚げです。
しっかり揚げたてで提供してくれます。
塩やワサビで味に変化をつけていただく美味しい一品でした。
蓋物の鯛真丈に野菜の餡がかかった料理です。
上にはエビやキャビアが乗っています。
個人的にはこれがとても美味しかったので印象に残っています。
こんなに美味しい真丈を食べたのは2回目です。この真丈を食べにまた訪れたいと思ったほどです。
仏掌薯(つくねいも)のすり流しにウニが乗っている一品です。
ツルッと食べられウニが良いアクセントになっています。
ウニは極上の品質、とまではいきませんが料理のバランスとしては良いです。
お口直しのピンクグァバとトマトのシャーベットです。
コースの中盤という事もあり、甘くないとてもさっぱりとしたシャーベットです。
食べると酸味で口の中がリセットされ、良いお口直しができる一品です。
メイン料理の鹿児島県産黒毛和牛リブロース網焼きステーキです。
脂控えめなお肉なのでさっぱりしていてくどくありません。
岩塩やワサビをつけていただくお肉本来の旨味が味わえるステーキでご飯によく合います。
土鍋で炊いた霧島のお米と伊勢海老の味噌汁です。
ご飯の量もちょうど良いですし、何より伊勢海老のお味噌汁が美味しいです。
提供のタイミングは言えば調整できるので、ステーキなどおかずがあるうちに持ってきてもらうとご飯が捗ります。
デザートのクレーム・ダンジュ バニラアイスと苺です。
バニラアイスの冷たさとクレーム・ダンジュと苺のさっぱり感、食感がとても素晴らしい逸品です。
個人的にはこのデザートが今まで泊まった宿のデザートの中で1番と思える程美味しく、とても大満足でした。
以上が宿泊時の夕食です。
コース料理の内、少し微妙なメニューがある宿が多い中、ふたり静さんの料理は全部が美味しい大満足の夕食でした。
ここまで美味しい夕食を食べたのは久しぶりです。さすが料理が高評価なだけあります。
同じ価格帯でもここまでの料理を出してくれる所はそうそうないと思うので、ぜひ訪れて食べていただきたいですね。
料理(朝食)
続いて朝食です。
朝食も夕食時と同じ場所でいただきます。
いつ見ても素敵な食事処です。
朝食はコース料理では無く、着席すると全ての料理が運ばれてきます。
年始という事でおせちを混ぜた朝食になっています。
見た目がとても綺麗で気分が上がります。
縁起の良さそうな器を開けると黒豆や松前漬けが入っていました。
サラダは洋風です。
デザートの果物もあります。
牛すじの煮物です。
味付けがとても素晴らしかったです。
鍋にはお雑煮が入っていました。
丼でいただくお雑煮と違い、お餅がくたくたになるまで煮えているので新鮮なお雑煮でした。
なんと朝食にカレーまでついています。
このカレーは欧風カレーで本格的な深みのある味付けが食欲をそそり、とても美味しかったです。
以上が宿泊時に食べた朝食です。
夕食時の感動こそ超えられませんでしたが、とてもハイレベルな朝食で美味しかったですね。
次はぜひおせち無しのいつも提供している本来の朝食を食べてみたいものです。
最後に
今回は行って良かった素晴らしい宿「ふたり静」をご紹介しました。
非日常感を存分に味わえる館内、広い敷地に贅沢に建てられ周りの騒音が全く聞こえてこない客室、源泉掛け流しの温泉やプライベートサウナ、客室数が少ないからこそできるスタッフさんのきめ細かい接客、そして美味しい料理、全てがとてもハイレベルな宿でまた行きたくなる素敵な場所でした。
価格帯は高めですが、それに十分見合っている満足度がとても高い宿だと思いますので、記念日や贅沢したい時などに利用してみてはいかがでしょう。